こんな場所に住んではいけません。水害、塩害、、、


海、川、湖
見晴らしの良い平野
自然豊かな球に囲まれて

風光明媚な場所に住むのは
憧れかもしれません。

でも、ちょっと待った!

海の近くの塩害

房総の海のそば
塩害で家は痛み、洗濯物は部屋の中に。

日々の生活に一手間かかり
住宅のメンテナンスコストも考慮する必要があります。

蒸し暑い真夏には、
湿気と潮風で
いつも体がべたついた気がします。

海を一望できるリゾートホテルなら良いでしょう。
でも、毎日の暮らしの場としては。
サーフィン三昧の暮らしをしたいのなら別ですが。

自分は、海からの距離は1〜2km程度のところに住んだことがあります。
木造アパートと8階建江ノ島が一望できるマンションに
合わせて8年ほど。

台風の時などを除いては
それほど酷い塩害被害はなかったと思います。

海の近くの津波リスク

東日本大震災では
千葉県内の知り合いの工務店が
津波で大きな被害を受けました。

津波のリスクは
海からの距離があれば大丈夫ということではありません。
まずは、地域のハザードマップで確認しましょう。

地盤の高さだけでなく
その土地の形状などによって
想定される被害は変わります。
海に流れる大きな川沿いでは
内陸部まで津波が逆流して
内陸部でも大きな被害が発生する場合があります。

一戸建では建物の資産価値がなくなるだけでなく
土地の資産価値もなくなるリスクがあります。

マンションの高層階では直接的な被害はなくても
ライフラインが遮断されるなど
長期に渡って生活に支障をきたす場合があります。

賃貸であれば引っ越すことはできるかもしれませんが
命の危険にさらされ、
家財道具は使い物にならないかもしれません。

全てが無事であっても
混乱の中、すぐに引っ越すことは難しいでしょう。

海の近くなどの液状化リスク

東日本大震災の時
都内から千葉市内まで歩いて帰ってきました。
国道14号線を歩いていると
幕張のあたりで、歩道が歪み、砂が溜まっていました。
液状化によって、砂が吹き出したようです。

現在は、海岸から3kmほど内陸になっていますが
昔は、そこまで海岸だった場所。

後日、幕張の海岸沿いへ行くと
道路に吹き出した砂が集められ山となり
歩道は隆起や沈下で波打っている場所がありました。

液状化の影響は地中に埋められている
上下水道にも影響があり
復旧には時間がかかりました。

自分達の住む家の下だけ
地盤が良ければ良い
地盤改良が済んでいれば良い
ということではありません。

川の近くの水害リスク

房総の里山に、ちば山のストックヤード
千葉の杉などの自然乾燥・保管施設があります。
その横を流れる地図にも記載されていない小さな川
普段は水の流れが少なく
氾濫した記憶もありません。

ところが50年に一度の大雨
低地でもなく、水の流れも少なかった川が豹変
氾濫して、ストックしていた木材が浮かび上がり流されそうに。

ストックヤード横の川は小さくても
その先に大きな夷隅川がありました。
大雨で夷隅川の水位が上昇し
夷隅川の注ぐ小川が氾濫したようです。

実はこの場所
防災マップの水害想定区域からは外れています。

想定外のこともあるので
最終的には自分で判断する必要があります。

田舎暮らしを希望したご家族の家、
やはり小さな川の近くでした。

市の洪水ハザードマップでは
危険エリアにはなっていません。
しかし
ここも、50年に一度の大雨で
避難勧告が出ています。

背面斜面、目の前が田んぼ、川の近くのリスク

こだわりの家づくり
こだわりの暮らし
なのに
なぜこの場所を選んだのか。

マニアックだからこそ選んだのでしょう。
基本的なことを忘れているような。

周りは標高50メートルほど
そこは低地になっていて目の前は田んぼ
標高は20メートルほど。
南側は斜面になっていて北向き立地
近くには、氾濫リスクのある川。

洪水やハザードマップの危険エリアではないものの
リスク要因が多すぎ、かつ、生活が不便。

南斜面で、北向き。
目の前が田んぼでは
湿気が多そう。

資産価値も
客観的には低いでしょうね。
ご本人は、満足しているようですが。

こだわるほどリスクのある土地に

そのほかにも、
・明らかに田んぼの埋立地。
・洪水多発地帯に隣接。
・目の前がため池。

田舎暮らしや豊かな自然を求めて
また、景色の良い立地を求めて
このような場合、土地探しから始まります。

しかし、ローカルな限られた住宅用地
良いところは地元の人たちが住んでいます。

空いているのは、地元の人たちが避けている場所。

以前、田舎暮らしの本を書いているライターの方が
近所に住んでいました。

自分が住んでいるのは
大規模開発された新興住宅地ですが
そこから1kmほど離れた田園地帯。

やはり、南側が崖、北向きで
日が当たる時間はわずか
なおかつ、目の前に氾濫リスクのある川
ジメジメとして、薄暗い土地です。
地元の人たちは住みたいと思えない土地。

誰も住まないので安かったのでしょうか?
雪が積もると日が当たらないため
何日も閉じ込められていたようです。

場所を気に入っても冷静に考えて!

気に入った場所と住むための場所は同じではありません。

オーシャンビューのホテルの部屋は素敵ですが
オーシャンビューのマンションの部屋はどうでしょうか?

気に入った場所で暮らすには
不便さや覚悟、そして、メンテナンスなどの資金も必要です、

さらに、人間、好みの変化や飽きるということもあります。
別荘を買っても、行かなくなってしまうのと同じ。

好みが変わった、飽きたから売って他の場所へ。
こだわればこだわるほど、
よほど条件が良くない限り高くは売れません。

よほど、お金に余裕がなければ
こだわりの場所に住むことは避けた方が賢明です。